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  • サッカー太郎

遠藤航が名門リヴァプールで這い上がれたワケ

★リヴァプールへ電撃加入 

 プレミアリーグ2023ー24シーズンは第19節の折り返し地点を迎え、クロップ率いる名門リヴァプールが単独首位で2024年の新年を迎えることとなった。そのリヴァプールに今季、日本代表キャプテンが電撃加入を発表したのはシーズンが始まった直後の8月18日のことだった。リヴァプールの中盤は今年の夏で契約満了となったイングランド代表のアレックス・オックスレイド・チェンバレンやギニア代表のナビ・ケイタが退団し、元イングランド代表のジェイムズ・ミルナー、ユベントスからレンタル加入中のブラジル代表のアルトゥールらも退団した。更に追い打ちをかけたのが、長年リヴァプールの中盤を支えてきたキャプテンのヘンダーソン(22-23シーズンは35試合出場)やファビーニョ(22-23シーズンは36試合出場)がこの夏サッカー界を席巻したサウジアラビアリーグに爆買いされてしまったことだ。一方で、ブライトンからアルゼンチン代表のアレクシス・マクアリスター、ライプツィヒからハンガリー代表のドミニク・ソボスライを獲得したが、二人の本職はインサイドハーフだ。アンカーポジションのさらなる補強が必要だった。今夏の移籍市場でも去就に注目が集まっていたブライトンのエクアドル代表のカイセドには1億1000万ポンドを提示するも、チェルシー行きを望むカイセドに移籍を拒否された。又、サウサンプトンのベルギー代表のラビアもチェルシーに奪われてしまった。そんな中、白羽の矢が立てられたのが遠藤だった。リヴァプールは若手選手の補強を方針としている中で、30歳とベテランの選手に1600万ポンドを支払った一連の移籍劇は、クラブにとって特例であり、それだけ切羽詰まった状況に陥っていたことは確かだった。



★苦戦が続いた序盤戦から連続スタメン奪取

プレミアリーグ開幕から19節までの出場状況

リーグ

対戦相手

出場時間

1

8月13日

チェルシー

出場なし

2

8月19日

ボーンマス

後半18分IN

3

8月27日

ニューカッスル

S 後半13分OUT

4

9月3日

アストン・ヴィラ

後半42分IN

5

9月16日

ウルヴァーハンプトン

出場なし

EL

9月21日

LASK

S 後半15分OUT

6

9月24日

ウェストハム

後半43分IN

7

9月30日

レスター

後半29分IN

EL

10月5日

サン・ジロワーズ

S 前半45分OUT

8

10月8日

ブライトン

出場なし

9

10月21日

エヴァートン

出場なし

EL

10月26日

トゥールーズ

S フル出場

10

10月29日

フォレスト

後半35分IN

11月1日

ボーンマス

S 後半15分OUT

11

11月5日

ルートンタウン

出場なし

EL

11月9日

トゥールーズ

S 前半45分OUT

12

11月12日

ブレントフォード

S フル出場

13

11月25日

マンチェスター・C

後半40分IN

EL

11月30日

LASK

S フル出場

14

12月3日

フラム

後半38分IN

15

12月6日

シェフィールド・U

S フル出場

16

12月9日

クリスタル・パレス

S 前半45分OUT

EL

12月14日

サン・ジロワーズ

S 前半45分OUT

17

12月17日

マンチェスター・U

S フル出場

18

12月23日

アーセナル

S フル出場

19

12月26日

バーンリー

S フル出場

 序盤戦はプレミアリーグのスピード感に戸惑い、又、リヴァプールのサッカーに適応できなかった。終了間際の途中出場やヨーロッパリーグでの出場が続き、なかなかプレミアリーグでのスタメンを勝ち取ることができなかった。守備面ではスピードで振り切られるシーンが何度も見られた。確かに、対峙した選手たちがフィジカルとアジリティをハイレベルで兼ね備えていたということもあるが、遠藤はスピードやフィジカルなどの身体能力に頼ってボール奪取するタイプではない。事前にドリブルやパスのコースを「予測」して、そこに目がけて的確にタックルをする守備スタイルだ。対峙した選手のスピードやアジリティが遠藤の予測を超えていた可能性がある。遠藤にはプレミアリーグでの経験値が絶対的に足りなかったのである。この問題は出場時間を増やしていけば解決出来る問題である。攻撃面ではプレス耐性の低さと判断の遅さからの展開力不足があげられる。足元の技術に優れたマクアリスターは相手に強く寄せられてもターンで剥がして前進出来るが、遠藤にはそこまでの足元の技術はない。そのためにプレスを剥がせずに、ボールが入った瞬間に潰されるというシーンが目立った。そして周囲との連係不足と戦術理解力不足なのか、前を向いた状況でボールを受けてもパスの出しどころを探すプレー判断スピードの遅さも目立った。これらの要素が重なって、遠藤はボールを受けても無難なプレーを選択しがちになり、徐々に味方選手からのパスも減っていった。

 潮目が変わったのが、それまでアンカーポジションでレギュラーとして出場していたマクアリスターが累積警告で出場停止となった第12節のブレントフォード戦だ。アンカーのポジションでスタメン出場を果たした遠藤は、ブレントフォードが深く座っていたのもあってボールをたくさん受けた。味方からの厳しいボールをしっかり納めてボールをキープ。最終ラインまで落ちてビルドアップに何度も加わった。タイミングのいい縦パスで決定機の機点となるなど、好プレーも見られた。試合後の米大手の「ESPN」は採点記事で高評価の「7点」を付与。こう賛辞を寄せている。「エンドウは試合のテンポをうまくコントロールし、ハイペースで快適なプレーを披露した。彼がマージーサイドに定住し始めている兆候だ」と。遠藤がプレミアリーグにフィットし始めたのはこの頃からだったに違いない。


プレミアリーグ優勝チーム予想

  • 0%マンチェスター・C

  • 0%アーセナル

  • 0%ニューカッスル

  • 0%マンチェスター・U

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■シャビ・アロンソのロングパスとスティーブン・ジェラードの得点力を

 リヴァプールで公式戦6試合連続スタメン出場を果たすことができたのは、遠藤のプレーが徐々にプレミアリーグで通用し始めてきた証拠である。プレミアリーグのプレースピードにもある程度慣れてきて、予測が立てられる様になった遠藤は守備時においては圧倒的な存在感を示すようになった。こぼれ球の回収、相手ボールになった時のファーストディフェンス、相手カウンターへのプレスバック等の守備時におけるタスクは十分に通用している。一方、攻撃面ではまだまだリヴァプールの勝利に貢献出来ているとは言いがたい。リヴァプールは相手DF裏へのロングボールやカウンターでの攻撃チャレンジがプレミアリーグ全20チームの中で最も多く、最も精度の高いチームであることは言うまでもない。相手の攻撃の芽を摘むことで、カウンターの起点にはなっている遠藤。しかし、ロングボールの起点にはなれていない。今、そのタスクを担っているのはアレクサンダー・アーノルドやファン・ダイクである。一発で局面を打開する相手DF裏へのロングボールはカウンターと並ぶリヴァプール攻撃の最大の武器である。サイドチェンジのパスは精度も高く効果的ではあるが、無難なパスである。「一か八か」と言えば聞こえが悪いかもしれないが、相手DF裏へチャレンジするシャビ・アロンソみたいなロングレンジのパスを身につけて欲しい。欲を言えば、スティーブン・ジェラードばりの得点力も遠藤の武器としてほしい。相手が引いた場面でのミドルシュートやBOX内に侵入していく得点力は有効的である。クロップは遠藤との交流の場で「我々には君が必要だ。本当に必要なんだ。君の、両足、能力、頭脳、野心。我々は必要としていた」「我々は良いチームだし、準備はしてきたが、ちょっと攻撃的すぎてね」とも語りかけており、言葉にしなかったが、「だから守備は任せたよ」という意味合いがそこに含まれているように遠藤にはそれほど攻撃力を求めていないかもしれない。だが、日本人としては遠藤がアンフィールドで攻守に渡り大暴れする姿を見たいし、遠藤なら必ずやってくれるはずだ。



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