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  • 原翔太朗

なぜサウジアラビアは急にビッグネームの移籍に駆り出すようになったのか?-「ビジョン2030」の達成に向けて-

 今月、カリム・ベンゼマがレアル・マドリードを退団し、3年総額2億5800万ポンド(約450億円)という破格の金額でアル・イテハドに移籍することが発表された。


 先日行われた入団会見では、6万人もの観衆で埋まったと報道されており、国全体を挙げて盛大に歓迎されている様子がライブ配信されていた。



 その他にも、チェルシーMFエンゴロ・カンテがベンゼマと同じアル・イテハドに移籍合意間近といったニュースや、レアル・マドリードMFルカ・モドリッチもサウジアラビアからのビッグ・オファーを受け去就を再考するなど、サウジアラビアのクラブが欧州5大リーグに食い込んでくるのではないかというほど、ビッグネームの獲得によりレベルを上げてきている。



 今月5日、ニューカッスルのオーナー企業である、サウジアラビアの政府系ファンド「PIF」が、サウジアラビアのアル・ナスル、アル・イテハド、アル・ヒラル、アル・アハリの4クラブを買収したことが発表された。


 これにより、上記4クラブはサウジアラビアの国営クラブとして、国が誇るオイルマネーをバックに補強を行うことができるようになったのである。


 このようなことが起こったのも、2030年度のサウジアラビアワールドカップ招致に向けての一つの施策であることが考えられる。


 サウジアラビアは、国際的な更なるポジションアップを図りたいが、人権問題や女性差別といった問題により、良いポジションを築き上げることができていない。


 そんな問題をカモフラージュするかのように、長くから絶大な人気を誇っているサッカーを始め、ゴルフの新リーグ開催やボクシングの世界戦並びに、国内史上初の女子戦の開催など、スポーツを中心にサウジアラビアの地位向上に向けてプロジェクトが進んでいる。


 その1つのクライマックスとして、2030年ワールドカップの共催を挙げており、国全体でゴールに向けて進んでいる。


 だが、2022年をカタールで行ったため、過去2大会で開催した地域以外で開催地を決定するというルールから通常だとサウジアラビアでの開催はできない。


 だからこそ、強引に開催に持っていくため、ギリシャ・エジプトとの共催という形で開催地に立候補しているが、それだけでは"ようやくスタートラインに立てたのか?"というぐらいでしかない。


 ワールドカップ招致に向けてのアピールのため、サウジアラビアリーグをより盛り上げる事に並び、クリスティアーノ・ロナウドやベンゼマなどサウジアラビアでプレーしているビッグタレントをW杯招致大使に任命し、プロモーション活動のメンバーとして、なんとしてでもワールドカップに招致することを掲げている。



 では、いったいなぜ2030年のワールドカップなのかというと、サウジアラビアは「ビジョン2030」という2030年までの経済改革計画を掲げているからである。


 石油に依存せず投資などにも徐々にシフトチェンジして、包括的発展を掲げているプロジェクトであり、その中にも国民の生活の充足度を高めるために「少なくとも週に1回運動する人の割合を 13%から40%に引き上げる 」「国内における文化・娯楽活動への支出を、 総家計支出の2.9%から6%に引き上げる」など具体的な数字を出して、文化・スポーツ振興を掲げている。


 そんな国策の達成という絶対的な目標があるため、2034年では遅すぎる。


 2030年にワールドカップ招致を果たすからこそ意味があり、必ずこの年でないといけないのである。


 そのためには、国が管理下のクラブを多く抱える必要があり、政治の意向によってリーグを操作できるようにするために、複数クラブの買収が必要であったのである。


 「PIF」は、86兆円ほどの資金力があり、前までリオネル・メッシの獲得に動く報道があったが、何千億単位であれば余裕で渡せるほどの資金力があり、今回は獲得できなかったということでその浮いたお金を別のスター選手に回すことができる。


 クリスティアーノ・ロナウドもサウジアラビアリーグのことを「世界トップ5リーグになれる」ということをコメントで語っており、実際に国がバックについていればあり得ない出来事も叶えられるほどの力と資金があるため、サウジアラビアリーグの価値はますます高まっていくことは間違いない。


 だが、国の力で繁栄していることから、

 「果たしてどこまでサッカーに注力してくれるのか?」

 「2030年以降は、サウジアラビアリーグをどのようにしていきたいのか?」など、政治の力に引っ張られすぎているところがあるため、先行きが心配な節もあるが、取り敢えず今シーズンはどんなビッグタレントの移籍が実現するのか、目が離せいない。



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