カタールワールドカップをベスト16に導いてくれたメンバーから多くの選手が選ばれ、プレミアリーグで第一線の活躍を果たしているMF三苫薫、レアル・ソシエダの上位に位置付ける活躍の立役者と言えるMF久保建英など馴染みの選手も多く選ばれた一方、ワールドカップで守護神を務めていたGK権田修一や右サイドバックで攻守にて献身的な働きを見せていたDF酒井宏樹などベテランプレーヤーが選外と、世代交代を印象付ける選出と言えるだろう。
献身者のサムライブルーとしての活躍が見れないと言うのは悲しい一方、空いた席にはフレッシュなメンバーと懐かしいメンバーが顔を出しており、オランダ・エールディウィジにて、DFながらアシストランキングトップ10圏内と攻撃センスにも定評があるDF菅原由勢や、横浜FMのリーグ優勝に大きな貢献を見せたFW西村拓真らの代表復帰や、世代別からの代表初選出など期待に胸を焦がすような選出と言える。
今回は、日本代表初選出メンバー5選手の紹介をしていく。
日本代表初選出メンバー
DF 半田陸 (21歳・ガンバ大阪)
モンテディオ山形でキャリアをスタートし、今シーズンからガンバ大阪へ所属を変え、今までのJ2からJ1リーグのステージへ個人昇格を果たし、着実にキャリアアップを重ねている将来有望の右サイドバックプレーヤー。
U-21では代表キャプテンを果たし、U-23にも選出され主力として活躍をするなど、世代別ではすでに欠かせない存在として存在感を出しており、山形時代にはセリエAの名門クラブ・ASローマの移籍が濃厚視されるほどの逸材が今回は代表初選出を果たした。
守備での球際の強さは安定感があり、予想もしない場所からのスライディングでチームのピンチを防ぐシーンもよく見られる。
また、攻撃の際の上がるタイミングも絶妙であり、足元のテクニックの高さから、特筆しているわけではないが丁寧なパスやシュートは見ていて美しい。
そして、高校3年からプロのフィールドに立っていたことからか経験の豊富さから世代別ではキャプテンを務めており、そのキャプテンシーはチームを鼓舞するだけでなく安心感をもたらす存在感を醸し出しており、年上が多いA代表でも堂々としたプレーを期待したい。
DF バングーナガンデ 佳史扶 (21歳・FC東京)
ガーナ人の父と日本人の母との間に生まれたハーフであり、17歳の頃からJ1リーグでプレーしている将来を有望視されている左サイドバックプレーヤー。
元々Fwをしていたことから、攻撃的センスには特筆したものがあり、サイドバックプレーヤーとしてのクロスの質だけでなく、スペースがあれば自ら中に走り込みゴールを決めることができる攻撃的な選手。
またスペースへの飛び出す能力の高さは守備にも影響しており、相手のやりたいことを瞬時に察知し、パスに対して走り込んでのインターセプトで多くのピンチを救っている。
そして、胸厚なフィジカルを活かしてのボール奪取能力も脅威的であり、攻守共に代表で一際目立つ活躍を期待できる能力とポテンシャルがあるため、継続的に代表に呼んでほしい選手の1人である。
DF 角田涼太朗 (23歳・横浜F・マリノス)
地元が埼玉のため、中学時代は浦和レッズジュニアユースに所属していたが、トップユースに昇格できず、前橋育英高校、筑波大学へと進学。
大学時代に世代別日本代表に選出され注目を集め、卒業後に横浜F・マリノスへと加入し、センターバックながら攻撃的なレフティーと希少且つハイレベルなスキルを発揮し、昨年のリーグ優勝に大きく貢献。
先ほども述べたようポジションがセンターバックながら、ドリブルで前に持ち運ぶことができるなど攻撃的なスキルは角田を語る上では欠かせない要素であり、相手を交わし前線へのフィールディングによってチームの攻撃において、変化をつけることができる貴重な選手である。
※今月20日、怪我にて代表辞退が発表された。
FW 中村敬斗 (22歳・LASKリンツ)
海外に移籍したことで選手としてだけでなく、市場価値をより大きく跳ね上げるインパクトを残した選手と言っても過言ではないほどの活躍をオーストリアで見せてくれている。
リーグ戦ではすでに昨シーズンを上回る11ゴールと得点ランキング3位という成績で、公式戦では14ゴール7アシストと、多くのゴールに絡む活躍からチームの上位進出に欠かせないピースとして大きな存在感を見せている。
ドリブルのスキルの高さは見ていて唖然とするほどであり、相手の重心を見極めてフェイントを交え次々と交わしていくだけでなく、ストライカーとしての決定力の高さは代表にとってとても頼もしい存在である上、今後もどんどん成長していくであろう伸び代を感じさせてくれる。
また、中村の視野の広さとアイデア能力の高さは見ていてクセになる。
中に切れ込みながら、ノールックで後ろでスペースに走り込んでいる味方選手にヒールでバックパスをするなど、自ら決めるだけでなく相手を生かすプレーも可能であり、オーストリアからの4大欧州リーグへのキャリアアップが待ち遠しい選手である。
DF 町田浩樹 (25歳・サン=ジロワーズ)
アーセナルDF冨安健洋の故障により追加招集という形で代表に初選出されたセンターバック。
鹿島アントラーズ下部組織出身であり、トップ昇格を果たしプロとしてのキャリアをスタートさせる。
右膝前十字靭帯損傷と怪我をすることもしばしばあり、プレータイムを思った以上に伸ばすことができていないが、吸収力の高さから着実にレベルを上げ、昨年からベルギーへ移籍。
レギュラーを掴みきれているわけではないが、190cmの高さを生かした空中線の高さはいうまでもなく武器になっており、代表においても重宝される存在であろう。
そして、長い足を活かしたスライディングは相手にとって非常に脅威であり、運動能力が高いフォワードにおいても競り負けないスピードに併せ、大きな長所であろう。
また、DF角田と同じく左利きであり、希少的な存在としてもよりレベルアップを期待したい選手である。
DF 藤井陽也 (22歳・名古屋グランパス)
横浜DF角田の怪我により追加招集という形でA代表初招集。
名古屋グランパスのアカデミー出身で、高校時代から世代別代表に招集されていた。
高校3年時には2種登録されリーグ戦に出場しており、卒業時にトップ昇格を果たしプロ契約を果たす。
昨シーズンからセンターバックのレギュラーとして万全の地位を築き、この度にA代表初招集された。
怪我で辞退した角田同様、藤井も自らドリブルで展開を作ることができる攻撃的なセンターバックであり、前線への正確なフィード能力には定評がある。
そして、187cmという長身を生かして空中戦に抜群の強さを誇り、長い足を活かした球際の強さも相手にとっては十分いやらしい存在としてプレッシャーをかけることができる。
ワールドカップで主力として活躍していたDF吉田麻也が代表に未招集の現在、1枠の座をかけて藤井も熾烈なサバイバルに挑む存在であり、このチャンスを活かしての活躍に期待したい。
上記の選手達には、ぜひ頑張っていただきたいと思いますし、代表選出のために更なる活躍を期待したいと心から思うと共に、ぜひフル代表での活動を自身のステップアップに生かして欲しいという気持ちでいっぱいである。
そして、4年後にはするほどの活躍を期待したい。
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