先月30日、1.FSVマインツ05II所属の水多海斗が、3.リーガ(ドイツ3部)のアルミニア・ビーレフェルトに完全移籍をすることが発表された。
背番号は25に決まり、期間は2025年6月30日までの2年契約となっている。
・水多海斗の経歴
水多はFC東京の下部組織出身であり、高校は前橋育英高校へと進学。
そこから、高校を卒業後はJリーグを経由せず、すぐに海外へと挑戦。
2019-20シーズンは、ドイツ5部に該当するオーバーリーガ・ニーダーラインに属するSVシュトラーレンに在籍。
第2節のTSV Meerbusch戦で、58分から寺田凌に代わって左ウィングのポジションにてプロ初出場を果たせば、74分に寺田俊のアシストからプロ初ゴールを決め、その8分後にもゴールを決め、デビュー戦2ゴールを挙げる華々しいプロキャリアをスタートさせる。
次節のトゥル・デュッセルドルフ戦でも途中出場を果たせば、後半ロスタイムにゴールを決め2戦連続ゴールをマーク。
その後は、左ウィングやフォワードのポジションでスタメン出場の機会を増やしていき、23試合(リーグ戦22試合、カップ戦1試合)に出場し、11ゴール(リーグ戦11ゴール)5アシスト(リーグ戦5アシスト)とルーキーイヤーから2桁得点をマークし、チームのリーグ優勝と4部に該当するレギオナルリーガ・ヴェストへの昇格に大きく貢献した。
2020-21シーズンは、序盤は右ウィングのポジションでほぼ固定でスタメン出場の機会を設けられた。
後半戦こそ途中出場の機会が増えてきたものの、41試合(リーグ戦39試合、カップ戦2試合)に出場し、6ゴール(リーグ戦6ゴール)10アシスト(リーグ戦10アシスト)と、初めてシーズン通じて出場することができた。
2シーズン通じての活躍と、リーグレベルを挙げても結果を残すことができた実力を評価され、2021年5月20に1.FSVマインツ05のU-23チームへの加入が決定した。
ステップアップに成功し今後の活躍に胸が膨らむ中、トップチームメンバーの新型コロナウイルスによる大量離脱からなんと開幕戦のRBライプツィヒ戦でベンチ入りを果たし、今までドイツ4,5部でプレーしていた若手日本人選手が、いきなりブンデスリーガにまで駆け上がるという成り上がりを21歳で見せてくれたのだ。
出場機会はなかったが貴重な経験を得た水多は、U-23に戻り右ミットフィルダーや左ウィンガーを中心にスタメンメンバーで固定的に出場を果たし、35試合に出場し5ゴール7アシストと4部のレベルでは安定的に結果を残すことができることを証明してくれた。
そして、2022-23シーズンは、開幕4試合で4ゴールを決めるなど、攻撃的ポジションでレギュラー固定され、31試合に出場し10ゴール10アシストと、チーム得点数に対しゴール・アシストでの関与率がなんと40%という圧倒的な成績を残し、4部のレベルでは収まらない実力を既に持っていることを見せてくれた。
そんな若者を他クラブが見逃すわけがなく、さらなるレベルアップとして3部に属するアルミニアーレフェルトへの移籍がこの度決まったのである。
・アルミニア・ビーレフェルトの現状から水多に期待されていること
アルミニア・ビーレフルトは、ブンデスリーガから降格して1年での復帰を目指していたが、62失点というリーグワースト2位という守壊により負けを多く重ねてしまい、まさかの勝ち点34という成績で昇降格プレーオフに回り、SVヴェーエン・ヴィースバーデンに初戦でまさかの0-4という敗戦を喫し、2戦目も1-2と敗戦し合計スコア1-6という大敗から、なんと2年連続降格という結果になってしまったのである。
3部に降格したことから、有望な若手選手をチーム内に抱えることは非常に難しくなり、チーム得点王の11得点とチーム2位の9アシストを挙げたロビン・ハックは1部のボルシア・メンヒェングラートバッハに、チーム2位の9ゴールを挙げたヤンニ・ルカ・セッラはデンマークのオーフスGFへ、チーム3位の8ゴールを挙げたブリアン・ラズミは今年から2部でプレーするシャルケ04へ、攻撃陣を支えた25歳トリオの移籍が発表された。
更に、チームアシスト王の10アシストを記録した、奥川雅也も1部のFCアウクスブルクへの移籍が決まり、3部からの昇格には攻撃的選手の獲得が避けられないほど。多くの主力選手の流出が決まってしまった。
そんな中、攻撃的ポジションを複数こなすことができ、ゴールもアシストも記録することができる上、将来を担える可能性がある若手プレイヤーとして、水多に注目が集まったと言えるのではないだろうか。
そして、アルミニア・ビーレフルトはかつて尾崎加寿夫を始め、堂安律や奥川など多くの日本人選手が当チームで活躍した実績があり、日本人プレーヤーに対しての信頼も厚いものがあるからこそ、まだ3部での実績がない水多でも獲得のGOサインが出たのではないだろうか。
実際、スピードを活かしたオフザボールの時の動きだしや、ポジショニングの的確さ、更に、ボールを持った時のドリブルテクニックの高さに加え、シュートの威力の強さも抜群であり、そして視野の広さからパサーとしても素晴らしいものがあるため、水多にはマークを強くしないとピッチ上を思うがままにされてしまう、そんな脅威を既に水多は備えている。
現に水多はチームからも多くの期待を集めていて、その証明になるかはさておき、「KAITO'S TAG」というコーナーを任せられており、トレーニングキャンプ中の行動や思ったことをブログにまとめてチーム公式HPのニュース欄に公開されている、
他の新加入選手を含め、このコーナーを任せられているのは水多のみであり、チーム内でもプッシュをしたいからこそ、他の選手とは違って特別な事を任せられているのではないかと想像できる。
Jリーグを経由せず、海外で少しずつステップアップを重ねていき、どのクラブでも結果を出し続けてきた2000年生まれのサムライ戦士。
将来の日本代表メンバーとしても非常に注目していきたい存在であり、個人的な成績だけでなく、ルーキーイヤーからチームを5部優勝に導いたように、チームを2部昇格に導く成績にも是非こだわっていただき、同世代で圧倒的なキャリアを歩み続けていって欲しいものである。
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