同月8日、水戸ホーリーホックはDF松田隼風が、レギオナルリーガ・ノルトに所属するハノーファー96 U-23へレンタル移籍をすることが発表された。
期間は2023年7月1日から2024年6月30日までであり、今年満20歳の松田にとっては、一つ上の世代と切磋琢磨できる上、見知らぬ土地である海外でプレーできるという、さらなるレベルアップが見込まれる移籍となっている。
松田は、北海道出身で函館ジュニオールFCでサッカーを始め、厳しい選考試験を勝ち抜いて小学卒業後はJFAアカデミー福島に入校。
高校時には世代別代表に選ばれ、同世代のプレイヤーと比較するとエリート街道を渡り歩きどんどんと成長していき、高校3年時には水戸ホーリーホック加入が内定され、特別指定選手として登録されていた。
そして、2022年シーズンに正式加入し初年度から6試合の先発を含む12試合出場を果たし、特に第8節の群馬戦での積極的な仕掛けと、精度の高いクロスはルーキーとは思えない存在感をピッチ上で見せてくれた。
更なる成長を見越した今シーズンも、シーズン折り返し時期において、昨シーズンの出場時間に迫るほどの出場機会を得る成長を見せ、先月はU-20ワールドカップ日本代表メンバーに選ばれサブでありながら全3試合に途中出場し、大舞台での経験を積むこともできた。
そんな中で、海外クラブへのレンタル移籍が発表され、プレイヤーとしてだけでなく人間としても逞しい成長を期待され、水戸からドイツへと旅立ってくことが決まったのである。
このレンタル移籍が決まったのも、水戸ホーリーホックとハノーファー96の関係性から決まったことである。
今年4月28日に、水戸ホーリーホックとハノーファー96の育成業務提携を結ぶことが決定し、水戸に所属する若手選手が毎年1名、ハノーファー96のU23チームへレンタル移籍し、トレーニングや試合を通じて、トップレベルへのステップアップを目指していくことを主の目的としている。
このような提携ができた理由も、水戸のトップパートナーであるJX金属株式会社のグループ会社であるTANIOBIS GmbHが両クラブのパートナーになることが決まったからである。
ハノーファー96にはこれまで酒井宏樹や、山口蛍、清武弘嗣、原口元気など様々な日本人選手が所属した過去があり、現在は室屋成が主力として活躍している日本にとってもゆかりの深いクラブである。
海外クラブと強いパイプラインを築くことで、若手選手にとっては非常に魅力的なクラブに写り、複数クラブからオファーが来る高卒・大卒の選手も「水戸でファーストキャリアを築こう」という声が上がってもおかしくない非常に魅力的な育成業務提携である。
ハノーファー96 U-23では、2シーズンに渡って左サイドバックはジャン・エリック・ハイヒルホンがおおよそシーズンの半分以上出場をしている。
育成年代のチームであることと、水戸との育成業務提携において派遣される初めての選手であることから、松田にも経験を積ませるという目的からシーズンの3分の1から半分ぐらいは出場を分け与えてもらえることが予想される。
だが、実力で信頼を勝ち得てより逞しい姿を見せて日本に帰ってきて欲しいものだ。
そして、水戸という地から日本に誇るスーパースターになるためのきっかけとしてこのレンタル移籍が良い方向に傾いてくれることを心から祈っている。
以下、松田が水戸HPに残したコメントである。
「この度、ドイツブンデスリーガ2部に所属するハノーファー96のU23チームに期限付き移籍することになりました。僕はこれまでの各年代別の代表チームの活動で、海外の選手たちと対戦する機会に恵まれてきたこともあり、少しでも早く海外挑戦をしたいという思いを持っていました。また、今年5月に行われたU20W杯に出場させていただいたことで、あらためて自分の課題にも気づかされました。そんな中、クラブの取り組みがきっかけとなり、ハノーファー96からお話をいただけたことは大変光栄ですし、自分の成長のためにも海外の厳しい環境に身を置きたいと思い、今回の移籍を決断しました。
特別指定も含めると約2年間、いろいろな経験を通じて選手としても人としても大きく成長させてくれただけでなく、今回の移籍も快く送り出してくれたクラブのすべての皆さん、そしてスタジアムやアツマーレでいつも僕を鼓舞してくれたファン・サポーターの皆様に心から感謝しています。今チームは少し苦しんでいる状況ですが、きっとここから好転していくと信じていますし、ドイツから水戸ホーリーホックの躍進を応援しています。
まずは一年間の期限付き移籍となりますが、次のステップを勝ち取れるよう、そしてもっともっと良い選手になっていけるよう、一日一日を大切に過ごしてきますので、今後も応援いただけると嬉しいです。いつか自分の成長の証と感謝の気持ちを水戸ホーリーホックのユニフォームを着て、ピッチで表現する日を僕自身、楽しみにしています。頑張ってきます!!(原文ママ)」
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