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  • サッカー太郎

日本対クロアチア



日本は前回準優勝国であるクロアチアに、PK戦で敗れ次のステージに進むことはできなかった。

 結果として、前回大会と同じ結果ではあるが試合結果や内容を見ると着実に成長しているよう感じられる。

 日本がドイツ、スペインに勝てると誰が思っただろうか。

 また、クロアチア戦も試合のペースを日本が握る時間帯も多くあり、モドリッチやコヴァチッチなど世界的なタレントが勢揃いの強豪に対し、五分で渡り合ったのである。

 ここまでの戦いを4年に1度に開催される世界から注目される大舞台で見せてくれて、日本人として誇らしい姿をカタールの地で見せてくれた日本代表には最大限の敬意と感謝を示したい。

 そして、次の4年後のためにも課題や良かったところを振り返ることは必要不可欠であるが、選手ではないため課題を述べるのは非常におこがましい。

 そのため、今回の試合で続けて欲しい点・魅力的だった点を以下にまとめた。



1.序盤で見せてくれた、両サイドのスピード力を活かした攻撃力

 サイドにスピード力がある長友と伊藤純也を配置していたことで、前半から得意のスピードを活かし、チャンスを構築できていた印象がある。

 前半11分の、堂安から伊東純也にパスが回って、右サイドの1vs1から中にパスを入れて逆サイドの長友が最後シュートを狙うシーンは非常に惜しかったシーンであり、広くピッチを使い攻撃を展開することでクロアチアゴールを脅かしていた。

 後半24分も厳しいパスを伊東純也が持ち前のスピードでピッチ上に残し、堂安に繋ぎ、中央の遠藤、谷口とボールが渡り、左サイドの三苫にパスを渡しサイドから侵入していくシーンも一定の攻撃の形が見えて得点の匂いを感じさせた。

 

2.高い位置からのプレス

 日本は攻守の切り替えを早くし、ボールを奪われても陣形を整えてクロアチア攻撃陣に対処していた。

 そのため、高い位置からインターセプトする機会が多く、ピンチを事前に防いでいたのである。

 前半35分伊藤純也から鎌田のパスがうまく通らず、ボールをカットされた際も次の相手のパスを予測し、富安が胸トラップでカットし高い位置から日本がサイド攻撃を組み立てることが試合序盤からできていた。

 前田も64分間の出場で68回のスプリントと、前線からプレスをかける姿を背中から見ていたチームメイトも決まり事を徹底し、クロアチアに簡単にプレイさせないようにプレスをかけ続けていた。

 延長後半でも中央に行かせないように、徹底して方向づけを行い、相手が止まった時には状況に応じて複数人でボールマンに襲いかかったり、パスコースを防ぐポジションでディフェンスをしたりと体力的にしんどい中頭を使ってプレイしていた。

 その結果、クロアチア相手に最小失点で120分間凌ぐことができ、良い守備からのショートカウンターと得意なパターンでチャンスの構築をする回数を増やすことができた。


3.高さがない中、得点の予感を期待させるセットプレー

 今試合において、クロアチアと日本では高さでミスマッチが生まれていたが、セットプレーにおいては工夫を凝らすことで得点の予感を期待するようなシーンが多く生まれ、実際にセットプレーから日本の得点を作り出すこともできた。

 前半42分、堂安の右CK。

 最初は中央にセンタリングしたが、クロアチアディフェンスにクリアされたことで、直後のCKは近くの鎌田にボールを渡す。

 鎌田から伊東純也にパスが渡り、もう一度堂安が右サイド30度付近でボールを受け取り、中央にセンタリング。

 角度を変えたことでディフェンスの陣形に多少の崩れが生まれ、ディフェンスの足に当たり、こぼれ球を前田が振り抜いて先制点を決めることができた。

 キッカーの技術も高い上、フィジカル面も今大会代表に選ばれた選手の中であげると、冨安や板倉などの若い選手が海外でも渡り合えるほどの強さを誇るため、以前に比べてチーム全体の穴が空くなっている。

 セットプレーがチャンスと言えるほどの能力と賢さが備わっているため、今後も注目して見ていきたい。



 今大会は後一歩で新しい景色を見ることができなかったが、PK戦ではクロアチアの方がしっかりと強く蹴っていて、蹴る直前の体の軸の持っていき方や目線を含めて駆け引きが上手かったのがクロアチアであったため、実力で負けたと言えるだろう。

 だが、ここまでの日本の闘う姿は非常に気持ちを動かされ、多くの日本人がエキサイティングし夢を見せてくれたことから、代表の選手、スタッフ、コーチ陣、森保監督には「ありがとう」と伝えたい。

 次回のアジアカップもカタールの舞台で行われる。

 それまでに、現在よりさらにレベルアップしたサムライブルーの姿を我々は期待し応援し続けていきたい。




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