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  • 原翔太朗

天才伊藤涼太郎を支える挫折の数々

 

 第8節のアビスパ福岡戦で、アルビレックス新潟の13番を背負うこの選手が伝説的となる活躍を見せてくれた。

 後半開始早々に、ほとんど角度が限られるコースから芸術的なフリーキックを決め、アディショナルタイムにFW谷口とのワンツーからペナルティエリア外から振り抜いての同点ゴール、最後はこぼれ球が伊東の右足に転がり込んで、冷静にゴールネットを揺らし3得点目で逆転。

 特に後半アディショナルタイムで2得点を挙げ、ハットトリック達成、チームの全得点を1人であげて尚且つ1点差で試合終了間際に逆転に導くという、漫画で描くようなシナリオを新潟の地で成し遂げたのである。




【アルビレックス新潟×アビスパ福岡|ハイライト】2023明治安田生命J1リーグ 第8節 | 2023シーズン|Jリーグ(参照 DAZN)


 だが、伊藤はここまでの道のりは苦労に苦労を積み重ねて歩んできたわけであり、決してエリート街道を歩んできたわけではない。

 

 伊藤は中学時代セレッソ大阪の下部組織で揉まれていたが、結果ユース昇格はならず。

 若い時期に挫折を経験し、作陽高校に進学を果たし、高校3年次の浦和レッズの練習に招集された際の中央大学との練習試合で、当時監督のミハイロ・ペドロヴィッチから賛辞を送られたことで、獲得オファーが届き浦和レッズに入団。

 ようやく花開くと思いきや、シャドーには柏木陽介、ボランチには阿部勇樹や青木拓矢、遠藤航らと日本代表クラスの選手との競争を強いれられ、当時プロ2年目を迎える伊藤にとっては、片手で数えれるほどしか試合に出場できなかった。

 またもや挫折を経験したが、ここでくたばる伊藤ではなく、自分のレベルを見つめ直し出場機会を求め J2の水戸ホーリーホックにレンタル移籍。

 東京五輪出場という大きな目標のため、体づくりや食生活を見直し、プロ3年目となる2018年シーズンでチーム2番目となる9得点を記録し、一躍看板選手の1人としてピッチ上で目が離せない選手となった。

 その後、大分トリニータ、浦和、水戸とチームを転々とし、結果として東京五輪に出場することができなかったが、2022年シーズンからアルビレックス新潟に完全移籍し才能がようやく開花。

 MF高木善朗、本間至恩のバックアップメンバーから自らの力でレギュラーを掴み取り、プロ入りしてから初となる全試合出場を達成し、9得点を挙げチームのJ2優勝&J1昇格に貢献。

 そして25歳にしてカムバックしたJ1の地で、チームのエースストライカーとして開幕戦から2アシストを記録し全得点に絡む活躍を見せ、第3節ではJ1初得点を記録し、第4節の川崎フロンターレ戦では決勝点を挙げる活躍を見せるなど、J1として今まで得点アシストが0の選手とは思えない活躍をここまで見せてくれている。


プレミアリーグ優勝チーム予想

  • 0%マンチェスター・C

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 それは、伊藤のスキルも去ることながら、後がないという危機感・今までの自分とは違うという証明といった、プロサッカー選手としてこのシーズンに賭けるんだという熱い思いが伝わってくる。

 元々は、学生時代から好不調の波が激しい選手であり、強気なメンタリティーの持ち主であったが、我が強すぎる故に、周りとの少しのズレでリズムを崩してしまう甘さがあったと言う。

 パスにも定評があり、前への推進力も長けている上、テクニックにも他の選手とは頭ひとつ抜けているものを見せてくれるから期待される選手であったが、試合に出ることはできない、信頼されていない様子を垣間見えるのが非常に歯痒く感じていた。

 だが水戸に所属してからは、前からの献身的な守備の姿勢からチームと共にプレーしている姿を多く見せてくれ、新潟においても時には周りを生かし、時には周りを信じて才能に頼るのではなくチーム一丸となった上で、伊藤が中心となり得点シーンを演出している。

 それは第8節を終了した時点で、アルビレックス新潟の得点数12の内、半分以上となる7(得点5 アシスト2)得点に得点orアシストとして絡んでいるという結果からして誰もがわかるだろう。

 それだけではなく、第2節のサンフレッチェ広島戦の2点目のアシストを決めたMF太田修介への足元に収める逆サイドへのループパスなど、結果に残らなくても何かしら伊藤は得点に絡んでいることから、この男にボールが渡ったら目が離せない。


 また、第8節のアビスパ福岡戦にて、1点目、同点ゴールとなる2点目を上げたときにすら表情を変えなかった点も勝利に対し貪欲な姿勢と、チームを勝利に導かなければという責任感を感じさせる。

 試合終了間際の3点目を挙げた瞬間にようやく見せた笑顔を画面越しで見て、見ているこちら側まで感情を揺さぶられる。

 ここまで人間的にも魅力を感じ、強い覚悟をプレーからも見える伊藤の快進撃は止まる様子がない。



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